ヴァイサラK‑PATENTS® インラインプロセス屈折計は、プロセス溶液の屈折率(RI)を計測することができます。ナトリウムD線と同じ波長(589nm)の黄色のLED光源を使用して、屈折の臨界角を計測します。次の図に示されているように、光源(L)からの光は、プリズム(P)とプロセス媒体(S)の間の境界面に向けられています。2つのプリズム面(M)が鏡として作用して光線を屈折させることで、光線がさまざまな角度で境界面に当たるようになっています。
反射した光線によって像(ACB)が形成されます。この像(C)が臨界角の光線の位置になります。(A)の光線は、プロセス境界面で内側に全反射しており、(B)の光線は、一部が反射し、一部は屈折してプロセス溶液に入っています。このように、光学イメージは、明るい領域(A)と暗い領域(B)に分割されます。境界線(C)の位置は、臨界角の値を示しています。この位置から屈折率を計測することができます。
屈折率は、プロセス溶液の濃度と温度によって変化します。ほとんどの溶液で、濃度が高くなると、屈折率が増加します。屈折率は、高温のときの方が低温のときよりも小さくなります。このことから、光学イメージは、プロセス溶液の濃度によって、次の図のように変化することがわかります。溶液の色、気泡、または未溶解の粒子は、境界線(C)の位置に影響を与えません。
境界線の位置をCCDエレメントを使用してデジタルで計測し、それを計測機器内のプロセッサで屈折率値に変換します。この値と計測されたプロセス温度を使用して濃度が計算されます。