トランスデューサー計測値のクエリー(XDR) - WXT530

WXT530 シリーズ ユーザーガイド

Document code
M211840JA
Revision
F
Language
日本語
Product
WXT530
Document type
取扱説明書

XDR クエリーコマンドを使用すると、風向風速計以外のすべてのセンサのデータを出力することができます。

XDR コマンドで風向風速データを要求するには、風向風速計で NMEA 風向風速書式指定パラメータを T に設定する必要があります。

コマンド:
$--WIQ,XDR*hh<cr><lf>
$ メッセージの開始
-- 要求側のデバイスの識別子
WI デバイスの種類の識別子(WI = 気象計測機器)
Q メッセージをクエリーとして定義
XDR トランスデューサー計測値コマンド
* チェックサム区切り文字
hh クエリーコマンドの 2 文字のチェックサム
<cr><lf> コマンド終端文字列

応答には、データメッセージで有効にされたパラメータが含まれます。

パラメータは、パラメータ選択設定フィールドに示された順序で出力されます。「センサの設定とデータメッセージの書式」を参照してください。

応答:

$WIXDR,a1,x.x1,u1,c--c1, ... ... ..an,x.xn,un,c--cn*hh<cr><lf>
$ メッセージの開始
WI デバイスの種類の識別子(WI = 気象計測機器)
XDR トランスデューサー計測値応答識別子
a1 最初のトランスデューサーのトランスデューサーの種類(以下のトランスデューサー表を参照)
x.x1 最初のトランスデューサーの計測データ
u1 最初のトランスデューサーの計測値の単位(以下のトランスデューサー表を参照)
c--c1 最初のトランスデューサーの識別情報(ID)。変換器のアドレス(aXU,A)が基本番号としてトランスデューサー ID に追加されます(aXU,A コマンド = [0~9/A~Z/a~z])。1
an n 番目のトランスデューサーのトランスデューサーの種類(以下のトランスデューサー表を参照)
x.xn n 番目のトランスデューサーの計測データ
un n 番目のトランスデューサーの計測値の単位(以下のトランスデューサー表を参照)
c--cn n 番目のトランスデューサー ID。変換器のアドレス(aXU,A)が基本番号として n 番目のトランスデューサー ID に追加されます。アドレスを変更するには、aXU,A= [0 ... 9/A ... Z/a ... z] コマンドを参照してください。1
* チェックサム区切り文字
hh 応答の 2 文字のチェックサム
<cr><lf> 応答の終端文字列

クエリーで入力するチェックサムは、デバイスの識別子の文字列によって異なります。チェックサムは、WXT530 シリーズから取得できます。以下の例を参照してください。

例:

$--WIQ,XDRxxx<cr><lf>」コマンド(xxx は任意の文字)を入力すると、変換器は以下のように応答します。

$WITXT,01,01,08,Use chksum 2D*72<cr><lf>

この例では、2D が $--WIQ,XDR コマンドの正しいチェックサムであることがわかります。

パラメータが同じである複数の異なる計測値が存在する場合(以下のトランスデューサー表を参照)、それらには異なるトランスデューサー ID が割り当てられます。

たとえば、最小風速、平均風速、および最高風速は、同じパラメータ(風速)の計測値です。これら 3 つのすべての計測値が XDR メッセージで表示されるように構成すると、A、A+1、および A+2 というトランスデューサー ID がそれぞれ割り当てられます。ここで、A は変換器アドレス(aXU,A)です。同じことは、風向にも当てはまります。温度、内部温度、および加熱温度も単位が同じであるため、A、A+1、および A+2 というトランスデューサー ID がそれぞれ割り当てられます。雨および雹の累積量、継続時間、および強度も同じパラメータの計測値であるため、雨には A というトランスデューサー ID が、また雹には A+1 というトランスデューサー ID が割り当てられます。ピーク降雨強度およびピーク降雹強度には、A+2 および A+3 というトランスデューサー ID がそれぞれ割り当てられます。

たとえば、デバイスアドレスが 0 である変換器の場合、すべての計測パラメータのトランスデューサー ID は、次のようになります。

表 1. 計測パラメータのトランスデューサー ID
計測 トランスデューサー ID 種類
風向(最小) 0 A
風向(平均) 1 A
風向(最大) 2 A
風速(最小) 0 S
風速(平均) 1 S
風速(最大) 2 S
圧力 0 P
気温 0 C
内部温度 1 C
相対湿度 0 H
累積降雨量 0 V
降雨時間 0 Z
現在の降雨強度 0 R
累積降雹量 1 V
降雹時間 1 Z
現在の降雹強度 1 R
ピーク降雨強度 2 R
ピーク降雹強度 3 R
加熱温度 2 C
ヒーター電圧 0 U
供給電源 1 U
3.5V 基準電圧 2 U
情報フィールド 4 G
補助降水量(転倒枡) 1 V
日射 3 U
超音波レベルセンサ 4 U
補助温度(pt1000) 3 C
正しい XDR 応答を得るには、累積降雹量または補助降水量(転倒枡)のいずれかを有効にします。同時に両方を有効にしないでください。

XDR クエリーの例(各センサのすべてのパラメータが有効、NMEA 風向風速書式指定パラメータを T に設定):

$--WIQ,XDR*2D<cr><lf>

各センサのすべてのパラメータが有効になっている場合の応答例(NMEA 風向風速書式指定パラメータを T に設定):

風向風速計データ

$WIXDR,A,302,D,0,A,320,D,1,A,330,D,2,S,0.1,M,0,S,0.2,M,1,S,0.2, M,2*57<cr><lf>

P、T、および RH データ

$WIXDR,C,23.3,C,0,C,24.0,C,1,H,50.1,P,0,P,1009.5,H, 0*75<cr><lf>

降水データ

$WIXDR,V,0.02,M,0,Z,30,s,0,R,2.7,M,0,V,0.0,M,1,Z,0,s,1,R,0.0,M,1, R,6.3,M,2,R,0.0,M,3*51<cr><lf>

スーバーバイザーデータ

$WIXDR,C,20.4,C,2,U,12.0,N,0,U,12.5,V,1,U,3.460,V,2,G,HEL/___,,4*2D

風向風速計応答メッセージの構造:

$ メッセージの開始
WI デバイスの種類(WI = 気象計測機器)
XDR トランスデューサー計測値応答識別子
A トランスデューサー ID 0 の種類(風向)
302 トランスデューサー ID 0 のデータ(最小風向)
D トランスデューサー ID 0 の単位(度、最小風向)
0 最小風向のトランスデューサー ID
A トランスデューサー ID 1 の種類(風向)
320 トランスデューサー ID 1 のデータ(平均風向)
D トランスデューサー ID 1 の単位(度、平均風向)
1 平均風向のトランスデューサー ID
A トランスデューサー ID 2 の種類(風向)
330 トランスデューサー ID 2 のデータ(最大風向)
D トランスデューサー ID 2 の単位(度、最大風向)
2 最大風向のトランスデューサー ID
S トランスデューサー ID 0 の種類(風速)
0.1 トランスデューサー ID 0 のデータ(最小風速)
M トランスデューサー ID 0 の単位(m/s、最小風速)
0 最小風速のトランスデューサー ID
S トランスデューサー ID 1 の種類(風速)
0.2 トランスデューサー ID 1 のデータ(平均風速)
M トランスデューサー ID 1 の単位(m/s、平均風速)
1 平均風速のトランスデューサー ID
S トランスデューサー ID 2 の種類(風速)
0.2 トランスデューサー ID 2 のデータ(最大風速)
M トランスデューサー ID 2 の単位(m/s、最大風速)
2 最大風速のトランスデューサー ID
* チェックサム区切り文字
57 応答の 2 文字のチェックサム
<cr><lf> 応答の終端文字列

気圧、温度、および湿度センサ応答メッセージの構造:

$ メッセージの開始
WI デバイスの種類(WI = 気象計測機器)
XDR トランスデューサー計測値応答識別子
C トランスデューサー ID 0 の種類(温度)(表 2 を参照)
23.3 トランスデューサー ID 0 のデータ(温度)
C トランスデューサー ID 0 の単位(°C、温度)
0 温度のトランスデューサー ID
C トランスデューサー ID 1 の種類(温度)
23.3 トランスデューサー ID 1 のデータ(Tp 内部温度)
C トランスデューサー ID 1 の単位(°C、Tp 内部温度)
1 Tp 内部温度のトランスデューサー ID
H トランスデューサー ID 0 の種類(湿度)
50.1 トランスデューサー ID 0 のデータ(湿度)
P トランスデューサー ID 0 の単位(%、湿度)
0 湿度のトランスデューサー ID
P トランスデューサー ID 0 の種類(気圧)
1009.1 トランスデューサー ID 0 のデータ(気圧)
H トランスデューサー ID 0 の単位(hPa、気圧)
0 気圧のトランスデューサー ID
* チェックサム区切り文字
75 応答の 2 文字のチェックサム
<cr><lf> 応答の終端文字列

降水量センサ応答メッセージの構造:

$ メッセージの開始
WI デバイスの種類(WI = 気象計測機器)
XDR トランスデューサー計測値応答識別子
V トランスデューサー ID 0 の種類(累積降水量)
0.02 トランスデューサー ID 0 のデータ(累積降水量)
M トランスデューサー ID 0 の単位(mm、累積降水量)
0 累積降水量のトランスデューサー ID
Z トランスデューサー ID 0 の種類(降雨時間)
30 トランスデューサー ID 0 のデータ(降雨時間)
s トランスデューサー ID 0 の単位(秒、降雨時間)
0 降雨時間のトランスデューサー ID
R トランスデューサー ID 0 の種類(降雨強度)
2.7 トランスデューサー ID 0 のデータ(降雨強度)
M トランスデューサー ID 0 の単位(mm/h、降雨強度)
0 降雨強度のトランスデューサー ID
V トランスデューサー ID 1 の種類(累積降雹量)
0.0 トランスデューサー ID 1 のデータ(累積降雹量)
M トランスデューサー ID 1 の単位(ヒット/cm2、累積降雹量)
1 累積降雹量のトランスデューサー ID
Z トランスデューサー ID 1 の種類(降雹時間)
0 トランスデューサー ID 1 のデータ(降雹時間)
s トランスデューサー ID 1 の単位(秒、降雹時間)
1 降雹時間のトランスデューサー ID
R トランスデューサー ID 1 の種類(降雹強度)
0.0 トランスデューサー ID 1 のデータ(降雹強度)
M トランスデューサー ID 1 の単位(ヒット/cm2h、降雹強度)
1 降雹強度のトランスデューサー ID
R トランスデューサー ID 2 の種類(ピーク降雨強度)
6.3 トランスデューサー ID 2 のデータ(ピーク降雨強度)
M トランスデューサー ID 2 の単位(mm/h、ピーク降雨強度)
2 ピーク降雨強度のトランスデューサー ID
R トランスデューサー ID 3 の種類(ピーク降雹強度)
0.0 トランスデューサー ID 3 のデータ(ピーク降雹強度)
M トランスデューサー ID 3 の単位(ヒット/cm2、ピーク降雹強度)
3 ピーク降雹強度のトランスデューサー ID
* チェックサム区切り文字
51 応答の 2 文字のチェックサム
<cr><lf> 応答の終端文字列

スーパーバイザー応答メッセージの構造:

$ メッセージの開始
WI デバイスの種類(WI = 気象計測機器)
XDR トランスデューサー計測値応答識別子
C トランスデューサー ID 2 の種類(温度)(表 2 を参照)
20.4 トランスデューサー ID 2 のデータ(加熱温度)
C トランスデューサー ID 2 の単位(°C、加熱温度)
2 加熱温度のトランスデューサー ID
U トランスデューサー ID 0 の種類(電圧)
12.0 トランスデューサー ID 0 のデータ(ヒーター電圧)
V トランスデューサー ID 0 の単位(表 2 を参照)
0 ヒーター電圧のトランスデューサー ID
U トランスデューサー ID 1 の種類(電源電圧)
12.5 トランスデューサー ID 1 のデータ(電源電圧)
V トランスデューサー ID 1 の単位(V、電源電圧)
1 電源電圧のトランスデューサー ID
U トランスデューサー ID 2 の種類(電圧)
3.460 トランスデューサー ID 2 のデータ(3.5V 基準電圧)
V トランスデューサー ID 2 の単位(V、3.5V 基準電圧)
2 3.5V 基準電圧のトランスデューサー ID
G トランスデューサー ID 4 の種類(一般)
HEL/___ トランスデューサー ID 4 のデータ(情報フィールド)
トランスデューサー ID 4 の単位(なし、NULL)
4 一般フィールドのトランスデューサー ID
* チェックサム区切り文字
2D 応答の 2 文字の CRC
<cr><lf> 応答の終端文字列
表 2. トランスデューサー表
トランスデューサー 種類 単位フィールド コメント
温度 C C = 摂氏
F = 華氏
角変位(風向) A D = 度
風速 S

K = km/h

M = m/s

N = ノット

S = mph、標準外2
気圧 P

B = bar

P = パスカル

H = hPa

I = inHg

M = mmHg

湿度 H P = パーセント
累積降水量 V

M = mm

I = in

H =ヒット

標準外 2
時間(継続時間) Z S = 秒 標準外2
強度(流量) R

M = mm/h

I = in/h

H = ヒット/h(雨の場合)

M = ヒット/cm2h

I = ヒット/in2h

H = ヒット/時間(雹の場合)

標準外 2
電圧 U V = ボルト

N = 未使用

# = ヒーターがオフ

一般 G なし(NULL)

P = パーセント

1 NMEA 書式では、数字のみがトランスデューサー ID として転送されます。変換器アドレスが文字で指定されている場合も、数字として表示されます(0~9、A = 10、B = 11、a = 36、b = 37 など)。
2 NMEA 0183 標準では指定されていません。